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!精神障害者保健福祉手帳についての詳細はお住まいの各市町村の担当窓口へお問い合わせください。
精神障害者保健福祉手帳というものをご存知でしようか?精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に規定されたているもので、精神障害者(高次脳機能障害含む)に対する手帳制度です。一般的には「障害者手帳」と呼ばれることがあります。
一定程度の精神障害の状態にあることを認定されることにより手帳が交付されます。そして、精神障害者の自立と社会参加の促進という目的達成のために手帳を持っている方々は、税制の優遇措置、公共交通機関の運賃割引き、各施設の利用料割引などの様々な優遇措置を受けることができます。
どんな人が対象になるの?
何らかの精神疾患により、長い間日常生活又は社会生活への制約がある方を対象としています。対象となるのは全ての精神疾患で、具体的な例としては以下のものがあります。
- 統合失調症
- うつ病、そううつ病などの気分障害
- てんかん
- 薬物やアルコールによる急性中毒又はその依存症
- 高次脳機能障害
- 発達障害(自閉症、学習障害、注意欠陥多動性障害等)
- その他の精神疾患(ストレス関連障害等)
等級
障害の程度により1級(重い)〜 3級(軽い)で格付けされることになります。等級によって受けられるサービスに違いがあります。
1級
精神障害であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの(概ね障害年金1級に相当)
*「日常生活の 用を弁ずることを不能ならしめる程度」とは、他人の援助を受けなけば、ほとんど自 分の用を弁ずることができない程度のものである。
具体的にいうと
- 入院患者においては、院内での生活に常時援助を必要とする。在宅患者にお いては、医療機関等への外出を自発的にできず、付き添いが必要である。
- 親しい人との交流も乏しく引きこもりがちである。
- 自発性が著しく乏しい。
- 自発的な発言が少なく発言内容が不適切であったり不明瞭であったりする。
- 家庭生活に おいても、適切な食事を用意したり、後片付けなどの家事や身辺の清潔保持も自発的には行えず、常時援助を必要とする。
- 日常生活において行動のテンポが他の人のペースと大きく隔たってしまう。
- 些細な出来事で、病状の再燃や悪化を来たしやすい。
- 金銭管理は困難である。
- 日常生活の中でその場に適さない 行動をとってしまいがちである。
2級
*「日常生活が著しい制限を受けるか、 又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度」とは、必ずしも他人の助け を借りる必要はないが、日常生活は困難な程度のものである。
具体的にいうと
- 付き添われなくても自ら外出できるものの、ストレスがかかる状況が生じた 場合に対処することが困難である。
- 親しい人との交流も乏しく引きこもりがちである。
- 医療機関等に行くなどの習慣化された外出はできる。また、デイケアや授産施設、小規模作業所などに参加することができる。
- 食事をバランス良く用意するなどの家事をこなすために、助言や援助を必要とする。
- 清潔保持が自発的かつ適切にはできない。
- 社会的な対人交流は乏しいが引きこもりは顕著ではない。
- 自発的な行動に困難がある。
- 日常生活の中での発言が適切にできないことが ある。
- 行動のテンポが他の人と隔たってしまうことがある。
- ストレスが大きいと病状の再燃や悪化を来たしやすい。
- 金銭管理ができない場合がある。
- 社会生活の中でその場に適さない行動をとってしまうことがある。
3級
具体的にいうと
- 一人で外出できるが、過度なストレスがかかる状況が生じた場合に対処が困難である。
- デイケアや授産施設、小規模作業所などに参加する者、あるいは保護的配慮のある事業所で、雇用契約による一般就労をしている者も含まれる。
- 日常生活な家 事をこなすことはできるが、状況や手順が変化したりすると困難が生じてくることもある。
- 清潔保持は困難が少ない。
- 対人交流は乏しくない。
- 引きこもりがちではない。
- 自発的な行動や、社会生活の中で発言が適切にできないことがある。
- 行動のテンポはほぼ他の人に合わせることができる。
- 普通のストレスでは症状の再燃や悪化が起きにくい。
- 金銭管理は概ねできる。
- 社会生活の中で不適切な行動をとってしまうことは少ない。
どんなサービスを受けられるの?
手帳を取得することによって以下のサービスを受けることができます。これらのサービスは全国一律のものとそうでないものがあります。
全国一律に行われているサービス
公共料金等の割引
- NHK受信料の減免
税金の控除・減免
- 所得税、住民税の控除
- 相続税の控除
- 自動車税・自動車取得税の軽減(手帳1級の方)
その他
- 生活福祉資金の貸付
- 手帳所持者を事業者が雇用した際の、障害者雇用率へのカウント
- 障害者職場適応訓練の実施
地域・事業者によって行われていることがあるサービス
公共料金等の割引
- 鉄道、バス、タクシー等の運賃割引
※なお、JRや航空各社は現時点では対象になっていません。 - 携帯電話料金の割引
- 上下水道料金の割引
- 心身障害者医療費助成
- 公共施設の入場料等の割引
手当の支給など
- 福祉手当
- 通所交通費の助成
- 軽自動車税の減免
その他
- 公営住宅の優先入居
どうやって申請するの?
申請は、市町村の担当窓口で行います。
申請に最低限必要なものは次の通りでが、お住まいの地域によって違いがあるかもしれませんので、担当窓口にお問い合わせください。
- 申請書
- 診断書又は、精神障害による障害年金を受給している場合は、その証書等の写し
- ※診断書は、精神障害の初診日から6か月以上経ってから、精神保健指定医(又は精神障害の診断又は治療に従事する医師)が記載したもの。(てんかん、発達障害、高次脳機能障害等について、精神科以外の科で診療を受けている場合は、それぞれの専門の医師が記載したもの。)
申請は、家族や医療機関関係者等が代理で行うこともできます。
申請すると、各都道府県・政令指定都市の精神保健福祉センターにおいて審査が行われ、認められると手帳が交付されます。(なお、年金証書等の写しが添付されていれば、必ず手帳が交付されます。)
手帳に有効期限はあるの?
あります。手帳の有効期限は交付された日から2年が経過する日の属する月の末日となっています。
自動的に更新されないので、更新する場合には更新の手続が必要となります。この更新の手続は有効期限の3ヵ月前から行うことができますので、現在手帳を持っていることを窓口にて申し出て、新規申請の場合と同様の手続を行ってください。
手帳をもつことのメリット・デメリット
メリット
デメリット
以上、「高次脳機能障害と障害者手帳」でした。
参考にさせていただいたサイト:> みんなのメンタルヘルス (厚生労働省)
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