高次脳機能障害と後遺障害について

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高次脳機能障害 ザックリ
高次脳機能障害とは、交通事故などの外傷性脳損傷や脳卒中などの疾患により脳が損傷を受け、「記憶・注意・感情」などの高次な脳機能に障害があらわれるものをいいます。

後遺障害として該当する等級は1級、2級(別表第一[?])3級、5級、7級、9級(別表第二[?])になります。
自動車損害賠償保障法施行令 別表第一及び別表第二


シッカリ


高次脳機能といってもなにも、複雑なことができなくなるわけではありません。
思ったように喋れない、他人の言ってることが理解できない、すぐ忘れてしまう、物事に集中できないなど症状がでることがあります。このように外見からはわかりにくい、その人が今まで普通にできていたことがうまくできなくなってしまうことが高次脳機能障害です。

外見からはわかりにくい


高次脳機能障害は決してめずらしいことではありません。パッと見ではわかりにくく、本人の自覚も乏しい場合が多く、普通に接するだけでは気づかないことが多いです。そのうえ、異変を感じても、脳の病気だからこんなこともあるか、そのうちよくなるだろうと家族や医師が勝手に判断してしまうことがあります。



高次脳機能障害の主な原因


原因として一番多いのは、脳卒中です。脳卒中とは、突然、脳の血管に関連した病気(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など)が起こり、脳に損傷を生じます。

二番目に多いのが、交通事故や転倒、転落などによる外傷性脳損傷です。これらが原因となり脳そのものにダメージを受けたり、頭蓋骨骨折により出血し脳が圧迫されたり、脳の回転やねじれの力により神経細胞が破壊されることにより症状が発症します。


高次脳機能障害の主な症状

注意障害


注意障害とは、周囲からの刺激に対し、必要なもの、重要なものに意識を集中させたりすることが、上手くできなくなった状態をいいます。

  • 集中力が続かない。
  • 気が散りやすい
  • ミスが多い
  • 長時間ひとつのことに集中できない
  • 同時に複数のことができない


記憶障害


記憶障害とは、事故の記憶が思い出せなくなったり、新しい経験や情報を覚えられなくなった状態をいいます。

  • 約束をしても忘れてしまう。
  • 場所を覚えることができない
  • 何度も同じことを繰り返し質問する
  • 昨日したことを覚えていない
  • 予定を覚えられない


遂行機能障害


遂行機能障害とは、論理的に考え、計画し、問題を解決し、推察し、そして、行動するといったことができない状態をいいます。

  • 効率よくできない
  • 計画を立てることができない
  • 指示がないと何もできない
  • 物事の優先順位を決めることができない


社会的行動障害


社会的行動障害とは、行動や感情を状況にあわせて、うまくコントロールすることができなくなった状態をいいます。

  • 「怒り」や「笑い」の感情のコントロールが難しい
  • 無制限に食べつづける
  • やる気がない
  • 1つのことにこだわり続ける
  • すぐに人に頼る。なにかあると人のせいにする

その他によく見られる症状


失語


失語とは、聞くこと話すこと、読むこと書くことがうまくできなくなった状態といいます。

  • 言葉をうまく話せない。
  • 質問に正しく答えられない。
  • 何を言われているのか理解できない。
  • 言われたことは理解できるが話すことができない。


失行


失行とは、行うべき運動・動作を理解しているにもかかわらず、目的にあった動作・行動が的確にできない状態をいいます。

  • スムーズに動作ができない。
  • 思い通りに動かない。
  • 手順がわからない。


失認


失認とは、視力や感覚能力に異常はないのに、目の前にあるものが何かわからなかったり名前がわからなかったりする状態をいいます。

  • 見えるのにそれが何なのか理解できない。
  • 知ってる人の顔が見分けられない。


半側空間無視


半側空間無視とは、視空間の右半分あるいは左半分の空間しか認識できない現象をいいます。本人は半分の空間しか認識していないという自覚はありません。

  • 視界の片側のことに気づかない。
  • 片側の食事を残す。
  • 身体の片側をよくぶつける。


病識欠如


病識欠如とは、自分が病気であるという意識が欠如している状態をいいます。

  • 自分の障害を認識できない
  • 障害がないかのようにふるまう


等級認定 - まずはじめに -

通常、 自賠責損害調査事務所が後遺障害として認定するか調査します。しかし高次脳機能障害の場合、その可能性があるものについては、 外部の専門家(脳神経外科医、弁護士など)で構成された高次脳機能障害審査会で審査をおこなうことになります。

これは、高次脳機能障害の場合、 高度な専門知識が要求されるうえに審査の公平性・客観性を確保することが求められているという理由と、それだけ判断が困難だということを意味します。

高次脳機能障害審査会で審査されるには


上記、高次脳機能障害審査会で審査されるには、以下の5つの項目のうちどれか1つ当てはまる必要があります。この5つの項目に当てはまるからといって認定されるわけではなく、あくまで高次脳機能障害審査会により審査されることになります。認定に向けてのスタートラインにたったというイメージです。

  • 初診時に頭部外傷の診断があり、頭部外傷後の意識障害(半昏睡~昏睡で開眼・応答しない状態:JCS[?]が3桁、GCS[?]が8点以下)が少なくとも6時間以上、もしくは、健忘症あるいは軽度意識障害(JCS[?]が2桁~1桁、GCS[?]が13~14点)が少なくとも1週間続いた症例
  • 経過の診断書または後遺障害診断書において、高次脳機能障害、脳挫傷、びまん性軸索損傷、びまん性脳損傷等の診断がなされている症例
  • 経過の診断書または後遺障害診断書において、高次脳機能障害を示唆する具体的な症状(記憶・記名障害[?]、失見当識[?]、知能低下、判断力低下、感情易変、暴言・暴力等)、あるいは失調性歩行[?]、痙性片麻痺[?]など高次脳機能障害に伴いやすい神経徴候が認められる症例、されには知能検査など各種神経心理学的検査が施行されている症例
  • 頭部画像上、初診時の脳外傷が明らかで、少なくとも3か月以内に脳室拡大[?]・脳萎縮[?]が確認される症例
  • その他、脳外傷による高次脳機能障害が疑われる症例

用語の解説
「JCS」とは
JCS(Japan Coma Scale)とは、覚醒の段階を9段階で表現するもので数字が大きいほど意識障害は重い。0~300で表します。
「GCS」とは
GCS(Glasgow Coma Scale)とは、意識レベルを「開眼」「発語(言葉による応答)」「最良の運動機能(運動による応答)」という3つの要素を個々に観察して、それぞれ1~5点で評価し合計点をだすものです。3点~15点で数字が小さいほど意識レベルが低いということになります。
「記憶・記名障害」とは
記憶を思い出すことができない、新しいことを覚えることができないこと。
「失見当識」とは
現在の時間・場所,周囲の人・状況などが正しく認識できなくなること。
「失調性歩行」とは
歩幅が一定せず、腰をはじめ体幹がふらついてスムーズな足運びができず、また時々足を止めてバランスを保つ。いわゆる、よろけ歩行や千鳥足のような状態。
「痙性片麻痺」とは
左右どちらかの手足の筋肉が硬直し運動ができない状態。
「脳室拡大」とは
脳内にある脳脊髄液を産生する場所が拡大すること。
「脳萎縮」とは
脳の容積の減少のこと。


どのようにして認定されるのか

まず、高次脳機能を以下の4つに区分します。そして、これらの能力がどれくらい失われたかに着目し、下の高次脳機能障害整理表を参考にして主治医に6段階で評価してもらいます。この評価を認定基準にあてはめ、3級~14級の間で等級を認定されることになります。

介護が必要となる場合は、程度に応じて1級または2級に等級格付けを行うとしています。



高次脳機能障害整理表


高次脳機能障害整理表を能力(意思疎通能力、問題解決能力、作業に対する持続力・持久力、社会行動能力)ごとに分けて記載しています。

高次脳機能障害整理表
実際の表タイプをご覧になりたい方は以下のリンクか画像をクリックしてご覧ください。
>> 高次脳機能障害整理表

※ 以下の表の項目、「能力喪失の程度」は、わかりやすくするために本来の表現ではなく、認定基準の文言に置き換えています。

意思疎通能力

職場において他人とのコミュニケーションを適切に行えるかどうか等について判定する。主に記銘・記憶力、認知力または言語力からの側面から判断を行う。

障害の程度の例能力喪失の程度
① 特に配慮してもらわなくても、職場で他人の人と意思疎通をほぼ図ることができる。14級の認定基準
「わずかな能力喪失が認められるもの」にあたる。
② 必要に応じ、こちらから電話をかけることができ、かかってきた電話の内容をほぼ正確に伝えることができる。
① 職場で他の人と意思疎通を図ることに困難を生じることがあり、ゆっくり話してもうら必要が時々ある。12級の認定基準
「能力が多少失われているもの」にあたる。
② 普段の会話はできるが、文法的な間違いをしたり、適切な言葉を使えないことがある。
① 職場で他の人と意思疎通を図ることに困難を生じることがあり、意味を理解するためにはたまには繰り返してもらう必要がある。9級の認定基準
「相当程度が失われているもの」にあたる。
② かかってきた電話の内容を伝えることはできるが、時々困難を生じる。
① 職場で他の人と意思疎通を図ることに困難を生じることがあり、意味を理解するためには時々繰り返してもらう必要がある。7級の認定基準
「半分程度が失われているもの」にあたる。
② かかってきた電話の内容を伝えることに困難を生じることが多い。
③ 単語を羅列することによって、自分の考え方を伝えることができる。
① 実物を見せる、やってみせる、ジェスチャーで示す、などのいろいろな手段と共に話しかければ、短い文や単語くらいは理解できる。5級の認定基準
「大部分が失われているもの」にあたる。
② ごく限られた単語を使ったり、誤りの多い話し方をしながらも、何とか自分の欲求や望みだけは伝えられるが、聞き手が繰り返して尋ねたり、いろいろと推測する必要がある。
職場で他の人と意思疎通を図ることができない。3級の認定基準
「全部失われているもの」にあたる。


問題解決能力

作業課題に対する指示や要求水準を正確に理解し適切な判断を行い、円滑に業務が遂行できるどうかについて判定する。主に理解力、判断力又は集中力(注意の選択等)について判断を行う。

障害の程度の例能力喪失の程度
① 複雑でない手順であれば、理解して実行できる。14級の認定基準
「わずかな能力喪失が認められるもの」にあたる。
② 抽象的でない作業であれば、1人で判断することができ、実行できる。
の中間12級の認定基準
「能力が多少失われているもの」にあたる。
① 手順を理解することに困難を生じることがあり、たまには助言を要する。9級の認定基準
「相当程度が失われているもの」にあたる。
② 1人で判断することに困難を生じることがあり、たまには助言を必要とする。
の中間7級の認定基準
「半分程度が失われているもの」にあたる。
① 手順を理解することは著しく困難であり、頻繁な助言がなければ対処できない。5級の認定基準
「大部分が失われているもの」にあたる。
② 1人で判断することは著しく困難であり、頻繁な指示がなければ対処できない。
課題を与えられてもできない。3級の認定基準
「全部失われているもの」にあたる。


作業負荷に対する持続力・持久力

一般的な就労時間に対処できるだけの能力が備わっているかどうかについて判定する。精神面における意欲、気分又は注意の集中の持続力・持久力について判断を行う。その際、意欲又は気分の低下等による疲労感や倦怠感を含めて判断する。

障害の程度の例能力喪失の程度
おおむね8時間支援なく働ける。14級の認定基準
「わずかな能力喪失が認められるもの」にあたる。
の中間12級の認定基準
「能力が多少失われているもの」にあたる。
障害のために予定外の休憩あるいは注意を喚起するための監督がたまには必要であり、それなしにはおおむね8時間働けない。9級の認定基準
「相当程度が失われているもの」にあたる。
の中間7級の認定基準
「半分程度が失われているもの」にあたる。
障害により予定外の休憩あるいは注意を喚起するための監督を頻繁に行っても半日程度しか働けない。5級の認定基準
「大部分が失われているもの」にあたる。
持続力に欠け働くことができない。3級の認定基準
「全部失われているもの」にあたる。


社会行動能力

職場において他人と円滑な共同作業、社会的行動ができるかどうか等について判定する。主に協調性の有無や不適切な行動(突然大した理由もないのに怒る等の感情や欲求のコントロールの低下による場違いな行動等)の頻度についての判断を行う。

能力喪失の参考例能力喪失の程度
障害に起因する不適切な行動はほとんど認められない。14級の認定基準
「わずかな能力喪失が認められるもの」にあたる。
の中間12級の認定基準
「能力が多少失われているもの」にあたる。
障害に起因する不適切な行動がたまには認められる。9級の認定基準
「相当程度が失われているもの」にあたる。
の中間7級の認定基準
「半分程度が失われているもの」にあたる。
障害に起因する不適切な行動が頻繁に認められる。5級の認定基準
「大部分が失われているもの」にあたる。
社会性に欠け働くことができない。3級の認定基準
「全部失われているもの」にあたる。



高次脳機能障害整理表の能力喪失の程度と等級の関係をわかりやすく表にすると以下のようになります。

等級4つの能力の喪失程度
1つ以上の能力の2つ以上の能力の
1級常時介護を要するもの
2級随時介護を要するもの
3級全部喪失大部分喪失
5級大部分喪失半分程度喪失
7級半分程度喪失相当程度喪失
9級相当程度喪失
12級多少喪失
14級わずかな能力喪失



認定基準


以上の高次脳機能障害整理表での評価をもって、以下の認定基準の具体的にいうとの部分にあてはめていきます。

1級(別表第一)

認定基準
神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
  • 「高次脳機能障害のため、生命維持に必要な身のまわりの処理の動作について、常に他人の介護を要するもの」がこれにあたります。
矢印 具体的にいうと
  • 重篤な高次脳機能障害のため、生命維持に必要な身の回りの処理の動作(食事・入浴・用便・更衣等)について、常時他人の介護を要するもの
  • 高次脳機能障害による高度の認知症や情意の荒廃[?]があるため、常時監視を要するもの

認定された場合の等級・慰謝料・労働能力喪失率
等級
慰謝料(自賠責)
慰謝料(裁判基準)
労働能力喪失率
1級1,100万円2,700~3,100万円100%


用語の解説
「情意の荒廃」とは
意欲・気力などがない状態


2級(別表第一)

認定基準
神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
  • 「高次脳機能障害のため、生命維持に必要な身のまわり処理の動作について、随時介護を要するもの」がこれにあたります。

矢印 具体的にいうと
  • 重篤な高次脳機能障害のため、食事・入浴・用便・更衣等に随時介護を要するもの
  • 高次脳機能障害による認知症、情意の障害、幻覚、妄想、頻回の発作性意識障害等のため随時他人による監視を必要とするもの
  • 重篤な高次脳機能障害のため自宅ないの日常生活動作は一応できるが、1人で外出することなどが困難であり、外出の際には他人の介護を必要とするため、随時他人の介護を必要とするもの


認定された場合の等級・慰謝料・労働能力喪失率
等級
慰謝料(自賠責)
慰謝料(裁判基準)
労働能力喪失率
2級958万円2,300~2,700万円100%



3級(別表第二)

認定基準
神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
  • 「生命維持に必要な身のまわり処理の動作は可能であるが、高次脳機能障害のため、労務に服することができないもの」がこれにあたります。

矢印 具体的にいうと
  • 高次脳機能障害整理表の「意思疎通能力」「問題解決能力」「作業負荷に対する持続力・持久力」「社会行動能力」のいずれか1つ以上の能力が全部失われているもの[?]
  • 高次脳機能障害整理表の「意思疎通能力」「問題解決能力」「作業負荷に対する持続力・持久力」「社会行動能力」のいずれか2つ以上の能力の大部分が失われているもの


認定された場合の等級・慰謝料・労働能力喪失率
等級
慰謝料(自賠責)
慰謝料(裁判基準)
労働能力喪失率
3級829万円1,800~2,200万円100%


用語の解説
[4] 「全部失われているもの」とは
  • 意思能力が全部失われた例
    職場で他人と意思疎通を図ることができない場合
  • 問題解決能力が全部失われた例
    可だを与えられても手順とおりに仕事を全く進めることができず、働くことができない場合
  • 作業負荷に対する持続力・持久力が全部失われた例
    作業に取り組んでもその作業への集中を持続することができず、すぐにその作業を投げ出してしまい、働くことができない場合
  • 社会行動能力が全部失われた例
    大した理由もなく突然感情を爆発させ、職場で働くことができない場合

5級(別表第二)

認定基準
神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
  • 「高次脳機能障害のため、きわめて軽易な労務のほか服することができないもの」がこれにあたります。

矢印 具体的にいうと
  • 高次脳機能障害整理表の「意思疎通能力」「問題解決能力」「作業負荷に対する持続力・持久力」「社会行動能力」のいずれか1つ以上の能力の大部分が失われているもの[?]
  • 高次脳機能障害整理表の「意思疎通能力」「問題解決能力」「作業負荷に対する持続力・持久力」「社会行動能力」のいずれか2つ以上の能力の半分程度が失われているもの[?]


認定された場合の等級・慰謝料・労働能力喪失率
等級
慰謝料(自賠責)
慰謝料(裁判基準)
労働能力喪失率
5級599万円1,300~1,500万円79%


用語の解説
[6] 「能力の大部分が失われているもの」とは

問題解決能力の大部分が失われている例
1人で手順どおりに作業を行うことは著しく困難であり、ひんぱんな指示がなければ対処できない場合
[7] 「能力の半分程度が失われているもの」とは

問題解決能力の半分程度が失われているもの例
1人で手順どおり作業を行うことに困難を生じることがあり、時々助言を必要とする場合



7級(別表第二)

認定基準
神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
  • 「高次脳機能障害のため、軽易な労務にしか服することができないもの」がこれにあたります。

矢印 具体的にいうと
  • 高次脳機能障害整理表の「意思疎通能力」「問題解決能力」「作業負荷に対する持続力・持久力」「社会行動能力」のいずれか1つ以上の能力の半分程度が失われているもの[?]
  • 高次脳機能障害整理表の「意思疎通能力」「問題解決能力」「作業負荷に対する持続力・持久力」「社会行動能力」のいずれか2つ以上の能力の相当程度が失われているもの[?]


認定された場合の等級・慰謝料・労働能力喪失率
等級
慰謝料(自賠責)
慰謝料(裁判基準)
労働能力喪失率
7級409万円900~1,100万円56%


用語の解説
[8] 「4能力」とは
  • 意思疎通能力
  • 問題解決能力
  • 作業負荷に対する持続力・持久力
  • 社会行動能力
[9] 「能力の半分程度が失われているもの」とは

問題解決能力の半分程度が失われているもの例
1人で手順どおり作業を行うことに困難を生じることがあり、時々助言を必要とする場合
[10] 「能力の相当程度が失われているもの」とは

問題解決能力の相当程度が失われているもの例
1人で手順どおりに作業を行うことに困難を生じることがあり、たまには助言を必要とする


9級(別表第二)

認定基準
神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
  • 「普通の労務に服することはできるが、高次脳機能障害のため、社会通念上、その就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるもの」がこれにあたります。

矢印 具体的にいうと
  • 高次脳機能障害整理表の「意思疎通能力」「問題解決能力」「作業負荷に対する持続力・持久力」「社会行動能力」のいずれか1つ以上の能力の相当程度が失われているもの[?]が該当する。


認定された場合の等級・慰謝料・労働能力喪失率
等級
慰謝料(自賠責)
慰謝料(裁判基準)
労働能力喪失率
9級245万円600~700万円35%


用語の解説
[11] 「4能力」とは
  • 意思疎通能力
  • 問題解決能力
  • 作業負荷に対する持続力・持久力
  • 社会行動能力
[12] 「能力の相当程度が失われているもの」とは

問題解決能力の相当程度が失われているもの例
1人で手順どおりに作業を行うことに困難を生じることがあり、たまには助言を必要とする

12級(別表第二)

認定基準
局部に頑固な神経症状を残すもの
  • 「通常の労務に服することはできるが、高次脳機能障害のため、多少の障害を残すもの」がこれにあたります。

矢印 具体的にいうと
  • 高次脳機能障害整理表の「意思疎通能力」「問題解決能力」「作業負荷に対する持続力・持久力」「社会行動能力」のいずれか1つ以上の能力が多少失われているもの


認定された場合の等級・慰謝料・労働能力喪失率
等級
慰謝料(自賠責)
慰謝料(裁判基準)
労働能力喪失率
12級93万円250~300万円14%



14級(別表第二)

認定基準
局部に神経症状を残すもの
  • 「通常の労務に服することはできるが、高次脳機能障害のため、軽微な障害を残すもの」がこれにあたります。

矢印 具体的にいうと
  • MRI、CT等による他覚的所見[?]は認められないものの、脳損傷があることが 医学的にみて合理的に推測でき、高次脳機能障害のためわずかな能力喪失が認められるもの


認定された場合の等級・慰謝料・労働能力喪失率
等級
慰謝料(自賠責)
慰謝料(裁判基準)
労働能力喪失率
14級32万円90~120万円5%


用語の解説
「他覚的所見」とは
医師が視触診や画像で確認したものをいいます。




以上、「高次脳機能障害と後遺障害について」でした。