後遺障害とは

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ザックリ
後遺障害とは、後遺症の中でも、以下の認定要件を満たし、損害保険料率算出機構に後遺障害を等級認定されたものをいいます。

  • 交通事故による精神的・肉体的な傷害であること
  • 傷害が将来的にも回復が見込めない状態であること
  • 事故と後遺症との間に「因果関係[1]」があること
  • その後遺症が「医学的」に立証・説明ができること
  • 「労働能力の喪失[2]」を伴うこと
  • 後遺症の内容・程度が、自賠責保険の認定基準に該当すること
[1] ここでの因果関係とは、「あの原因(事故)があったからこの結果(後遺症)が生じた」という関係のことを言います。
[2] 後遺症によって失われた労働能力ことをいいます。


シッカリ


後遺障害とは、ケガが治ったときに身体に存在する障害のことで、このまま治療を続けてもこれ以上症状が改善する見込みがない状態を「症状固定」といいます。


症状固定後に残った精神的・身体的な毀損状態が要件を満たすと、後遺症の程度により等級が認定されます。等級が認定されると、慰謝料[1]や労働能力喪失[2]による賠償額が大きく変わってきます。


「後遺症」とはどう違うの?


よく耳にする「後遺症」とはどう違うのかと申しますと、後遺症とは、病気やけがが治ったあとなお残っている機能障害や神経症状などの症状のことをいうのであって、交通事故でケガした場合の具体例としては、外傷後の機能障害,特に頭部外傷後の各種神経障害などがあります。


このような後遺症の中でも、要件を満たして等級認定された一部のものが後遺障害とよばれるとザックリイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。

後遺障害と後遺症のちがい

後遺障害の等級ってなに?


後遺障害(後遺症)の等級というのは、後遺障害(後遺症)の程度によって1級~14級(138種類)に分けられています。そして、各等級ごとに後遺障害慰謝料、労働能力喪失率が定められているので認定される等級によって賠償額が大きくちがってくることになります。


等級と後遺症


後遺障害の認定って誰がするの?


損害保険料率算出機構という団体が後遺障害の認定をおこないます。この認定手続きには、加害者が加入している任意保険会社がおこなってくれる「事前認定」と、被害者が加害者の自賠責保険会社に直接手続きする「被害者請求」とがあります。



後遺障害の等級認定を医師がおこなうと考えている方がいます。被害者のケガのことをわかってるのは治療してきてくれた医師だと考えるのは当然です。しかし、医師は後遺障害等級認定の手続き上とても重要な後遺障害診断書という書類を作成しますが、等級を認定するわけではありません。

被害者請求‐事前認定



認定された等級に納得いかないときはどうするの?


後遺障害等級認定で非該当(どの等級にも該当しないとされたこと)、等級は認定されたけど思ってたよりも低かったなど結果に不満がある場合はどうすればいいんでしょうか。

自賠責保険会社への異議申立て


自賠責保険会社に異議申立てをすることができます。この異議申立て、事前認定の結果に不満がある場合は事前認定をおこなった任意保険会社に、被害者請求の結果に不満がある場合は加害者が加入する自賠責保険会社に異議申立ての書類を提出することになります。ちなみに、事前認定の結果に不満だった場合、被害者請求に切り替えて自賠責保険会社に直接異議申立てすることも可能です。


異議申立てをしても納得いく結果が得られない場合は、何度でも異議申立てすることができます。この自賠責保険への異議申立てに回数の制限はありません。ただ、納得のいく結果が得られなかったときの書類を再度提出しても認められることなく、内容を精査する必要があります。

自賠責‐異議申立て


自賠責保険・共済紛争処理機構に調停の申立て


何度異議申立てしても納得のいく結果が得られない場合の次の手段として、自賠責保険・共済紛争処理機構(以下、「紛争処理機構」といいます)へ申請するのがよいでしょう。これまでの異議申立ては被害者が自賠責保険会社におこなうものでしたが、紛争処理機構は第三者の公正中立な立場で判断してくれるというものです。


紛争処理機構に申請できるのは1回限りです。紛争処理機関の審査結果によっても納得のいく結果が得られなかった場合は、この件について再度申請することはできず、自賠責保険会社にも異議申立てすることはできなくなり、残された道は裁判ということになりますので慎重な判断が必要になります。


自賠責保険・共済紛争処理機構


後遺障害の等級認定で大事なこと


適正な後遺障害の等級認定では、お医者さんが作成する「後遺障害診断書」が鍵となります。


後遺障害診断書はお医者さんだだけが作成することができるのですが、信頼して任せると後遺障害の等級が認定されない恐れがあります。なぜなら、後遺障害の等級認定が適正になされるための基準などについて詳しお医者さんは少ないのが現状だからです。これは当然で、お医者さんは治療の専門家であって、後遺障害等級認定手続きの専門家ではないからです。


そこで、行政書士は、等級認定に必要なことを漏らさず記入してもらったり、追加で必要な検査をしてもらったり、場合によってはお医者さんに意見書を書いてもらうよう被害者にアドバイスいたします。この他にも、被害者と病院へ同行し、後遺障害等級認定のことについてお医者さんにご説明するすることもございます。



以上、「後遺障害とは」でした。