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交通事故と健康保険

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  • メリット・デメリット
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  • 治療費
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書類サンプル ザックリ
交通事故によるケガの治療に健康保険をつかうことができます。被害者にも過失がある場合、加害者が任意保険に入っていない(自賠責保険のみ加入)場合などにつかうと最終的に手元にのこる金額が多くなります。


シッカリ

交通事故で健康保険は使えるの?


使えます(手続きが必要)。病院の受付で「交通事故には健康保険は使えません」と言われることもあるようですが、それは間違いです。


これは行政(厚生労働省)や裁判所も以下のように交通事故でも健康保険が利用できるとしています。

「最近、自動車による保険事故については、保険給付が行われないとの誤解が被保険者等の一部にあるようであるが、いうまでもなく、自動車による保険事故も一般の保険事故と何ら変りがなく、保険給付の対象となるものであるので、この点について誤解のないよう住民、医療機関等に周知を図るとともに、保険者が被保険者に対して十分理解させるよう指導されたい。」との通達を出しています(1968年10月12日保険発第106号「健康保険及び国民健康保険の自動車損害賠償責任保険等に対する求償事務の取扱いについて」)。


大阪地方裁判所昭和60年6月28日の判決「国民健康保険法は、被保険者の疾病、負傷、出産又は死亡に関して必要な保険給付を行うことを目的とし・・・同法に基づく療養保険給付は絶対的必要給付であって・・・交通事故により負傷、疾病した被保険者に対し、療養保険給付が行われなければならないことは当然であって、これを排斥すべき理由はない。」


そもそも、「なんで私は被害者なのに自分の健康保険をつかって治療しなければいけないの?」と考える被害者の方がいると思います。お気持ちはわかるのですが、「健康保険をつかうメリット」でこのあと説明・比較させていただきますが、健康保険をつかうメリットはひじょうに大きいです。まずは健康保険をつかって治療費の負担を減らせて治療に専念するのが大事だと考えます。



交通事故と健康保険 仕組み
交通事故で健康保険をつかった場合のイメージです。

イメージ画像の真ん中に書かれた[手続き]については、このページ内にある「健康保険をつかうには手続きが必要です」で説明しています。




交通事故で健康保険の利用をことわれるのはなぜ?


シンプルに言うと利益が大きいからです。


医療機関の治療は点数制度になっていて、各医療サービスの点数を合計した点数に単価を掛けたものが医療費となります。この単価の部分が健康保険の場合、1点=10円と定められていますが、自由診療の場合は医療機関ごとに違いがあり、1点=20円、まれに25円に設定しているところがあります。


このような理由で健康保険をつかう保険診療と比較して自由診療の利益が大きいため使えないとする医療機関があるようです。


健康保険を使うメリット


治療費がおさえられるのが一番のメリットです。具体的には以下のようなケースでメリットがあります。

  • 被害者にも過失がある場合
  • 加害者が任意保険に加入していない(自賠責保険のみ)場合


被害者にも過失がある場合


以下の条件を前提に下の表をみて比較してみてください。健康保険を使った場合の方が最終的に手元に残る金額が多いことがわかります。

  • 被害者の過失が30%。
  • 10万点分の治療を受けた。
  • 計算の基礎となる[治療費][入通院慰謝料][休業損害]の項目の金額は一例です。

 
健康保険を使わない場合
健康保険を使う場合
治療費
200万円
10万点 × 20円[1] = 200万円(全額負担)
30万円
10万点 × 10円[2] = 100万円(このうち3割を負担)
入通院慰謝料[3]
40万円
休業損害[4]
60万円
損害額の合計
上記3項目を合計
300万円130万円
受け取る賠償額
210万円
300万円 × 70% = 210万円
[損害額の合計]から被害者の過失30%をひいた残りの70%(210万円)を受け取る。
91万円
130万円 × 70% = 91万円
[損害額の合計]から被害者の過失30%をひいた残りの70%(91万円)を受け取る。
病院へ支払う金額
治療費の項目と同じ
200万円30万円
最終的な金額
10万円
210万円 ‐ 200万円 = 10万円
[受け取る保険金]から[治療費]をひいた残り
61万円
91万円 ‐ 30万円 = 61万円
[受け取る保険金]から[治療費]をひいた残り

[1] 健康保険を使わないので自由診療となります。自由診療の場合、医療機関にもよりますが20円に設定してるところが多いようなのでここでは20円にしています。
[2] 健康保険を使った場合は1点=10円と定められています。
[3] 入通院の苦痛に対して支払われる慰謝料のことです。
[4] 交通事故によってケガをした場合、程度によっては仕事ができず休むこともあると思います。そこで休むことによって得られなかった収入を損害として賠償してもらえるものです。


加害者が任意保険に加入していない(自賠責保険のみ)場合


加害者が任意保険に加入していない場合、現実問題として損害を支払う能力がない場合が多く、被害者は自賠責保険に損害を賠償してもらうことになります。


この自賠責保険はあくまで最低限度の補償を目的としているので、傷害の場合に支払われる限度額は治療費、慰謝料、休業補償などすべて込みで120万円です。


健康保険をつかえば治療費は3割負担で済みますが、もし健康保険を使わず、自由診療になると治療費を全額負担することになりますので当然高額になってしまいます。こうなると120万円の枠を治療費だけで使い切ってしまい慰謝料や休業補償が支払われないということにもなりかねません。


これらをふまえて以下の条件を前提に下の表をみて比較してみてください。

  • 10万点分の治療を受けた。
  • 計算の基礎となる[治療費][入通院慰謝料][休業損害]の項目の金額は一例です。

 
健康保険を使わない場合
健康保険を使う場合
治療費
200万円
10万点 × 20円[5] = 200万円(全額負担)
30万円
10万点 × 10円[6] = 100万円(このうち3割を負担)
入通院慰謝料[7]
40万円
休業損害[8]
60万円
受け取る賠償額
0円
治療費が200万円かかったことにより自賠責保険の120万円という枠を超えいるので[入通院慰謝料][休業損害]も支払ってもらえません。
90万円
治療費が30万円なので120万円から30万円をひいた90万円から[入通院慰謝料][休業損害]を支払ってもらうことになります。


イメージとしてはこのような感じです。
健康保険をつかった場合、つかわない場合のイメージ
[5] 健康保険を使わないので自由診療となります。自由診療の場合、医療機関にもよりますが20円に設定してるところが多いようなのでここでは20円にしています。
[6] 健康保険を使った場合は1点=10円と定められています。
[7] 入通院の苦痛に対して支払われる慰謝料のことです。
[8] 交通事故によってケガをした場合、程度によっては仕事ができず休むこともあると思います。そこで休むことによって得られなかった収入を損害として賠償してもらえるものです。

健康保険を使うデメリット


健康保険をつかうことによってのデメリットと言えば手続きが必要になるくらいです。
しかし以下のようなことが考えられますので目を通しておいてください。

  • 使用できる薬や治療に制限がでる恐れがあると言われていました。

    健康保険による保険診療は、使用できる薬や治療に制限があり、被害者にとって十分な治療がうけられないとされていた時期がありました。しかし、現在では、ほとんどの薬や治療方法の費用は健康保険で認められており、それで十分な水準の治療がうけられると言われています。


  • 医師のやる気が低下

    私は経験したことがないのですが、健康保険をつかうことによって医療機関の利益が減ってしまうということもあり、ごく一部ですがいやがる医療機関があるようです。そしてこれが影響してか、医師のやる気の低下につながるようです。

交通事故で健康保険をつかったときのデメリット

健康保険をつかうには手続きが必要です


交通事故のように第三者(加害者)の行為によってケガをした場合でも(仕事中・通勤途中以外[9])健康保険をつかって治療をうけることができます。


しかし、本来、加害者が治療費を支払うべきなので「第三者行為による傷病届」という届けが必要です。この届出をすることによって、被害者が健康保険から給付をうけた場合、健康保険が建て替えた医療費(保険者負担分:7割)を、本来支払うべき加害者に対して請求します。


お問い合わせ、提出書類など手続きについての詳細は、以下のリンク先(全国健康保険協会ホームページ)をご覧ください。

事故にあったとき(第三者行為による傷病届等について)
事故にあったとき(第三者行為による傷病届等について)スクリーンショット

[9] 仕事中・通勤途中の交通事故では労災保険の給付対象となるので、健康保険を使うことはできません。これは法律で定められているのでどちらを使うか選択するまでもなく労災保険の手続きを行うことになります。


まとめ


このページでご説明した通り、交通事故によるケガの治療に健康保険をつかうことは被害者の利益となります。ご自身の状況をふまえて健康保険の利用をご検討ください。

以上、「交通事故と健康保険」でした。

後遺障害慰謝料とは

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後遺障害慰謝料とは
わかりにく後遺障害慰謝料についてわかりやすくご説明します。

後遺障害慰謝料ってなに?


後遺障害慰謝料とは、交通事故によってケガをしても治療によって事故前の状態に回復することが多いですが、治療をつづけても効果があがらず完全に回復することなく、身体や精神に痛みやしびれ、関節の動きに制限ができたりと障害がのこってしまうことがあります。これを後遺障害といい、この後遺障害がのこってしまったことによる精神的な損害を賠償するものを後遺障害慰謝料といいます。

どうすれば後遺障害慰謝料を請求できるの?


治療をつづけてきたけれど後遺症がのこったことを自賠責保険に等級認定される必要があります。等級は1級〜14級まであり、数字が小さいほど症状は重くなり後遺障害慰謝料の額も高くなります。実務上、自賠責保険で認定された等級に基づいて損害額の計算をしますので、等級認定がされなかった場合に後遺障害慰謝料を認めてもらうのは困難となります。よって、早い段階から後遺障害業務に力を入れている弁護士や行政書士に相談することをおすすめします。

後遺障害慰謝料の相場(目安)は?


後遺障害がのこってしまったと言っても思いつくままに慰謝料を請求して認められるというものではなく、そこには一定の基準が存在します。この基準は以下のように3つあり、下にいくほど慰謝料の額が高くなります。

  • 自賠責保険基準
  • 任意保険基準
  • 裁判基準

後遺障害慰謝料3つの基準って?

自賠責保険の基準

介護を要する後遺障害等級と後遺障害慰謝料
1級16,000,000円
2級11,630,000円


後遺障害等級と後遺障害慰謝料
1級11,000,000円
2級9,580,000円
3級8,290,000円
4級7,120,000円
5級5,990,000円
6級4,980,000円
7級4,090,000円
8級3,240,000円
9級2,450,000円
10級1,870,000円
11級1,350,000円
12級930,000円
13級570,000円
14級320,000円


任意保険の基準

非公開
  • 各社内部で定められている。自賠責基準より少し高い。

裁判所の基準


裁判基準とは過去の交通事故の損害賠償裁判の判例などを参考に、これくらいは認められるであろうという相場のことをいいます。あくまで目安ですので、案件により増減します。

赤い本(民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準)
1級2800万円
2級2370万円
3級1990万円
4級1670万円
5級1400万円
6級1180万円
7級1000万円
8級830万円
9級690万円
10級550万円
11級420万円
12級290万円
13級180万円
14級110万円


青本(交通事故損害額算定基準)
1級2,700~3,100万円
2級2,300~2,700万円
3級1,800~2,200万円
4級1,500~1,800万円
5級1,300~1,500万円
6級1,100~1,300万円
7級900~1,100万円
8級750~870万円
9級600~700万円
10級480~570万円
11級360~430万円
12級250~300万円
13級160~190万円
14級90~120万円


後遺障害が認定されなかったらどうなるの?(非該当の場合)


後遺障害慰謝料は自賠責保険によって等級認定されなかった(非該当)場合、後遺障害慰謝料は発生しないのが基本となります。しかし、等級認定されなかったからといって後遺症がないわけではありませんよね。その場合、事案によっては事案によっては裁判上、後遺障害慰謝料が認められることがあります。

近親者にも後遺障害慰謝料ってあるの?


被害者が亡くなった場合、亡くなった本人の慰謝料だけではなく、父母、配偶者、子供など(以下「近親者」)の慰謝料が認められますが、被害者が亡くなったわけではなく、後遺障害を負った場合も近親者の慰謝料請求が認められることがあります。これはどのようば場合にも認められるものではなく、「死亡した場合に比肩するような精神的苦痛を近親者が受けた場合」には認められると裁判例で示されています。具体的には被害者が植物状態、重度の高次脳機能障害、手足にのこった重度の麻痺など、介護を要する後遺障害に認められます。

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後遺障害14級と後遺障害慰謝料

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後遺障害14級と後遺障害慰謝
後遺障害14級のイメージをつかんでいただくために簡単な具体例と後遺障害慰謝料についてご説明します。

後遺障害とは

交通事故によって受傷、治療をつづけてきたけれど残ってしまった後遺症が自賠責保険会社に認められると後遺障害として、その程度によって1〜14級(数字が小さいほど重症)に格付けされたものをいいます。今回はその中でも後遺障害14級についてご説明します。

14級の後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料には3つの基準が存在します。14級が認定された場合の後遺障害慰謝料は以下を参考にしてください。

自賠責保険基準

320,000円
  • 自賠責保険から支払われる後遺障害慰謝料と逸失利益をあわせた限度額は750,000円
  • 金額は法律で定められている。

任意保険基準

非公開
  • 各社内部で定められている。自賠責基準より少し高い。

裁判基準

1,100,000円(赤本[1]
900,000円〜1,200,000円(青い本[2]
  • これまでの裁判例を基にした相場
  • この額は後遺障害慰謝料だけの金額です。これに逸失利益[3]がプラスされることになります。
[1] 青い本
青本とは損害賠償額算定の基準を示す書籍で「交通事故損害額算定基準」のことをいい、全国で使用されています。
[2] 赤本
赤本とは、損害賠償額算定の基準を示す書籍で「民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準」のことをいい、主に東京で使用されています。
[3] 逸失利益
逸失利益とは、交通事故による後遺障害がなければ得られていたであろう利益のことをいいます。具体的には事故前が年収500万円あったのが事故後の後遺障害で以前と同じように働くことができず収入が減ってしまった場合の減収分がこれにあたります。

※ 詳しくは「交通事故における慰謝料とは」をご覧ください

14級の後遺障害認定基準

14級にあたる後遺障害は1~9号に分類されています。認定基準と簡単な具体例とともにご紹介します。
後遺障害 具体的 見かた
1号

1眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの

  • 「まぶたの一部を欠損」とは、ふつうにまぶたを閉じた場合に、角膜を完全に覆うことができるが、白目が見えている程度のものをいいます
  • 「まつげはげを残すもの」とは、まつげがはえている部分2分の1以上にわたってまつげのはげを残すものをいいます。

2号

3歯以上に対し歯科補綴を加えたもの

  • 「歯科補綴を加えたもの」とは、そう失又は著しく欠損した歯の見た目と機能を回復するためにクラウン[4]やブリッジ[5]、入れ歯などの人工物で補うことをいいます。

[4] クラウン
クラウンとは、治療で歯を削った後に被せる人工の歯のことをいいます。「差し歯」や「被せ物」がこれにあたります。
[5] ブリッジ
ブリッジとは失った歯の両隣の歯を土台にして、そこに橋をかけるように人工の歯をかぶせることをいいます。

3号

1耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を解することができない程度になったもの

  • 片方の耳の平均純音聴力レベル[6]が40dB以上70dB未満のものがこれにあたります。

[6]平均純音聴力レベル
標準純音聴力検査で測定します。どれくらい聞こえているのか、その程度は異常か正常か、異常の原因はどこにあるのかというのを大まかに判断します。

4号

上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの

  • 「上肢の露出面」とは、肩から指先までのことをいいます。
  • 「てのひらの大きさ」とは、指を含まない手のひら部分のみの大きさをいいます。

5号

下肢の露出面にてのひらの大きさ醜いあとを残すもの

  • 「下肢の露出」とは、足の付け根から足の甲までのことをいいます。

6号

1手のおや指以外の手指の指骨の一部を失ったもの

  • 片方の手の親指以外の指の骨の一部を失っている(遊離骨片[7]の状態を含む)ことがレントゲン写真などで確認できるものをいいます。

[7]遊離骨片
ここでの遊離骨片とは、骨折したがくっつくことなく残ってしまった骨のかけらのことをいいます。

7号

1手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの

  • 片方の手の親指以外の指の第一関節(遠位指節間関節)が動かなくなったもの又は曲げ伸ばしにつかう筋肉の損傷など原因が明らかなもので、自らの力で曲げ伸ばしができないもの又はこれに近い状態のものをいいます。

8号

1足の第3の指足以下の1又は2の足指の用を廃したもの

  • 片方の足の中指、薬指、小指のうち1本又は2本の指が以下のような場合が該当します
  • 親指の指先の骨(末節骨)の長さの2分の1以上を失ったもの
  • 親指以外の指の第一関節と第二関節の間の骨(中節骨)もしくは、指の付け根の関節と第二関節の間の骨(基節骨)を切断したもの又は第一関節もしくは第二関節部分で切り離されたもの
  • 指の付け根の関節(中足指節関節)又は第二関節(近位指節間関節)、親指の場合は第一関節(指節間関節)の可動域が正常な方の足の可動域角度の2分の1以下に制限されるもの

9号

局部に神経症状を残すもの

  • 残ってしまった神経症状の存在がレントゲンやMRI、各種検査によって説明することができなかったとしても医学的に説明できる場合がこれにあたります。代表的なものとして頸椎(腰痛)捻挫、外傷性頸部症候群(いわゆる「むちうち」)があります。

後遺障害のことで不安をかかえていませんか?
後遺障害手続きに特化した行政書士事務所が等級認定を全力でサポート。専門知識をもった行政書士がアドバイスをおこない、手続きを適切に進めることで適正な等級認定獲得を目指します。被害者の新たな一歩をお手伝いさせていただきます。

赤い本とは

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  • 目次
  • 青本とのちがい
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後遺障害慰謝料と赤い本
赤い本と呼ばれている「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」について、青本との違いについてなどわかりやすく説明していきます。

赤い本ってなに?


財団法人 日弁連交通事故相談センター東京支部が編集と発行をする「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」がいわゆる「赤い本」です。表紙が赤いことからこう呼ばれています。基準編の上巻、講演録編の下巻のセットになっています。

赤い本ってどんな本なの?


上巻(基準編)は、東京地方裁判所の実務に基づいた交通事故における障害・後遺障害慰謝料、休業損害、後遺症や死亡による逸失利益などの賠償額基準と参考判例、資料として後遺障害別等級表、労働能力喪失率表などが掲載されていて、損害賠償額を算定する際に参考とされています。

下巻(講演録編)には、交通事故訴訟で問題となる様々な論点についての講演などが収録されています。収録内容の例としては、「症状固定について(2013年版)」、「むち打ち症以外の原因による後遺障害等級12級又は14級に該当する神経症状と労働能力喪失期間(2007年版)」などがあります。

赤い本の中身は?

掲載内容を大まかにイメージしていただくために2015年版の目次を以下にご紹介します。

上巻(基準編)

第1積極損害
第2休業損害
第3後遺症による逸失利益
第4死亡による逸失利益
第5慰謝料
第6物損
第7損益相殺・損害の填補等
第8無償同乗
第9素因減額
第10過失相殺
第11渉外交通事件
資料(後遺障害別等級表、労働能力喪失率表、簡易生命表、賃金センサス表など)
付録(損害賠償請求調査事項整理票、訴状作成のチェックポイントなど)

下巻(講演録編)

講演最近の東京地裁民事第27部交通訴訟の実情
講演交通鑑識活動による事案の解明について
部会活動報告等


赤い本の後遺障害慰謝料は?


自賠責保険では「介護を要する後遺障害」として1級、2級が設定されていますが、赤い本ではそのような区別はなされていません。

1級2,800万円
2級2,370万円
3級1,990万円
4級1,670万円
5級1,400万円
6級1,180万円
7級1,000万円
8級830万円
9級690万円
10級550万円
11級420万円
12級290万円
13級180万円
14級110万円


赤い本の入通院慰謝料は?


以下の表が入通院慰謝料の目安となり、入院・通院の期間をもとに算出します。
見かたとしてはほんの一例ですが、6ヶ月間通院のみなら116万円、3ヶ月間入院のみなら145万円、3ヶ月入院したのち、3ヶ月通院した場合には188万円となります。
原則「別表Ⅰ」が使用されますが、むちうち症で他覚症状がない場合などは「別表Ⅱ」が使用されます。

入通院慰謝料 別表Ⅰ

 
入院
1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14

15

通院53101145184217244266284297306314321328334340
1

2877122162199228252274291303311318325332336342
2

5298139177210236260281297308315322329334338344
3

73115154188218244267287302312319326331336340346
4

90130165196226251273292306316323328333338342348
5

105141173204233257278296310320325330335340344350
6

116149181211239262282300314322327332337342346
7

124157188217244266286304316324329334339344
8

132164194222248270290306318326331336341
9

139170199226252274292308320328333338
10

145175203230256276294310322330335
11

150179207234258278296312324332
12

154183211236260280298314326
13

158187213238262282300316
14

162189215240264284302
15

164191217242266286

表の見方
  • あくまで目安です。個別具体的な事情により増減します。
  • 単位:万円 (例 入院1ヵ月、通院1ヵ月の場合は77万円)
  • この色は通院のみ
  • この色は入院のみ

入通院慰謝料 別表Ⅱ

むちうち症で他覚症状がない場合などに使用します。

 
入院
1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14

15

通院356692116135152165176186195204211218223228
1

195283106128145160171182190199206212219224229
2

366997118138153166177186194201207213220225230
3

5383109128146159172181190196202208214221226231
4

6795119136152165176185192197203209215222227232
5

79105127142158169180187193198204210216223228233
6

89113133148162173182188194199205211217224229
7

97119139152166175183189195200206212218225
8

103125143156168176184190196201207213219
9

109129147158169177185191197202208214
10

113133149159170178186192198203209
11

117135150160171178187193199204
12

119136151161172180188194
13

120137152162173181189195
14

121138153163174182190
15

122139154164175183

表の見方
  • あくまで目安です。個別具体的な事情により増減します。
  • 単位:万円 (例 入院1ヵ月、通院1ヵ月の場合は77万円)
  • この色は通院のみ
  • この色は入院のみ

青本とどう違うの?


どちらも裁判所の基準を示したものですが、以下のちがいがあります。

発行元


赤い本:日弁連交通事故相談センター 東京支部
青本:日弁連交通事故相談センター 本部

赤い本は東京支部が発行しているだけでなく、内容としても東京地方裁判所の実務に基づいたものとなっていますので主に関東で使用されています。一方、青本は赤い本とちがい全国で使用されることが想定されています。そのため青本の基準は幅のあるもの(例:○○万円〜○□万円)となっています。現在は赤い本が全国的に使用されるようようになってきているようです。

発行時期


赤い本:毎年2月
青本:2年に1回

どこで売ってるの?


一般の本屋さんやamazonには置いていません。購入方法としては、以下のリンク先に移動し、用意された購入申込書(pdf)に名前や住所などの簡単な必要事項を記入してFAXで注文する方法と、日弁連交通事故相談センター東京支部に出向いて直接購入する方法とがあります。2015年版を参考にすると価格は1セット(上・下巻)2800円(税込)で、FAXでご注文された場合は別途送料がかかります。

>> 青本・赤い本のご紹介(日弁連交通事故相談センター)

まとめ

  • 赤い本とは、財団法人 日弁連交通事故相談センター東京支部が編集と発行をする「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」のことをいいます。
  • 内容は、東京地方裁判所の実務に基づいた慰謝料、休業損害、逸失利益などの賠償額基準と参考判例、資料などが掲載されています。
  • 青本と比較するとどちらも裁判所の基準を示したものですが、発行元、発行時期にちがいがあります。
  • 一般の本屋さんやamazonには置いていません。
  • 購入するには日弁連交通事故相談センター東京支部にFAXを送って注文するか、直接出向く必要があります。

交通事故における慰謝料とは

この記事は以下のキーワードが気になる方のお役にたちます。

  • 慰謝料とは
  • 種類
  • 計算
  • 入通院慰謝料
  • 後遺障害慰謝料
  • 3つの基準
  • 自賠責保険基準
  • 任意保険基準
  • 裁判所基準
  • 青本

交通事故における慰謝料とは
慰謝料の種類、支払い基準、計算方法。そもそも慰謝料とはなんなのかについてわかりやすく解説していきます。

そもそも慰謝料とは?

ほとんどの方が交通事故における「慰謝料」と聞くと、賠償額全体のことをイメージされると思いますがそうではありません。正確には被害者が加害者(保険会社)に請求できる賠償金の項目の1つで、精神的苦痛に対するものを慰謝料といいます。

慰謝料には種類があるの?

慰謝料には以下のように2種類あります。

  • 入通院慰謝料
  • 後遺障害慰謝料

入通院慰謝料とは

交通事故によってケガを負い、治療のために入院・通院することになります。この入通院することへの精神的苦痛に対しての慰謝料と考えるとわかりやすいですね。

後遺障害慰謝料とは

交通事故によってケガを負い、治療を続けてきたけれど完全に治癒することなく痛みやしびれ、麻痺が残ってしまったり、骨折した部分が変形してくっついたり、関節を動かすのに制限ができたりと後遺症がのこってしまい、後遺障害として等級認定された場合に発生するものです。
これは上記「入通院慰謝料」とは別に請求することができます。

慰謝料の計算ってどうなってるの?

ここまで入通院慰謝料という言葉の意味をご説明してきました。では、肝心の計算はどのようにするんでしょうか。原則として入院・通院の期間によって算定するのですが、この算定基準には以下の3つがあり、それぞれ異なります。「え?なんで3つも?」と思いますよね。これからそれぞれの算定基準について簡単に解説していきます。

  • 自賠責基準
  • 任意保険基準
  • 裁判所基準


3つの基準の関係はどうなってるの?

3つの算定基準の解説に入る前に、それぞれどういう関係にあるのかというところからはじめたいと思います。

それぞれの基準による額の違い

基準による額の違いですが、少ない方から自賠責保険基準 → 任意保険基準 → 裁判所基準となります。

それぞれどう関係するのか

自賠責保険は被害者救済のために迅速・公平な支払いを目的としているのでそれに対応できるよう統一的な基準が適用されます。そしてこの自賠責保険基準には上限がありますので、それをオーバーした分については任意保険会社が各社で定められた基準を元に支払うということになっています。そしてこのとき任意保険会社から提示された額に納得がいかない場合に裁判で争うことになります。このときにつかわれるのが判例を元に算定される裁判所基準ということになります。


自賠責保険

自賠責保険では、入通院慰謝料は1日あたり4,200円と法律で定められています。この4200円が何日分支払われるかというのが問題になりますが、原則「通院期間」と「実治療日数」を使って計算することになります。

具体的には以下のうち、少ない方に1日あたりの入通院慰謝料である「4200(円)」を掛けます。
  • 通院期間
  • 実治療日数 × 2

例えば、事故当日からケガが治るまで90日(3ヶ月)通院期間があったとします。この期間中、実際に治療のために通院したのは30日だった場合
  • 通院期間:90日(3ヶ月)
  • 実治療日数:30日 × 2 = 60日
このようになり、少ない方の60日を4200円に掛けるので以下のようになります。

30(実治療日数)× 2 × 4200(1日あたりの入通院慰謝料)= 252,000円(入通院慰謝料の総額)

任意保険

任意保険の基準は各保険会社ごとに決められていて非公開となっています。任意保険会社から支払う額が少なければ利益があがるというシンプルな仕組みですので、任意保険会社からすれば支払う額を少しでも抑えたいので自賠責保険の基準とほぼ同じか少し高いくらいだと言われています。

裁判基準

裁判基準とは過去の交通事故の損害賠償裁判の判例などを参考に、これくらいは認められるであろうという相場のことをいい、今までのみてきた基準に比べもっとも高いことが多いです。この基準は示談交渉がおもうようにいかず裁判になった場合などに使われます。

この基準を示す本として「青本」「赤い本」などがあり参考にされています。以下は「青本」に掲載されている表です。
 
入院
1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13

14

15

通院32~6063~11792~171115~214135~252153~284168~312181~336191~356200~372207~385212~395217~403221~408225~413
1ヵ月16~2947~8878~144103~192125~232144~268161~298174~324186~345196~364203~379210~390214~399219~406223~411227~416
2ヵ月31~5762~11589~165113~210134~284152~282167~310179~333191~353199~371206~384212~394216~402221~409225~414229~419
3ヵ月46~8473~13699~183122~226142~262158~294172~319184~341194~360202~376208~388214~397218~405223~412227~417231~422
4ヵ月57~10583~154108~199130~240148~274163~303177~327187~348197~365204~380210~391216~400220~408225~415229~420233~425
5ヵ月67~12392~170116~213136~252153~283168~311180~334190~353199~369206~383212~394218~403222~411227~418231~423235~428
6ヵ月76~139100~184122~225141~261158~291171~318183~339192~357201~372208~386214~397220~406224~414229~421233~426237~431
7ヵ月84~153106~196127~234146~269161~298174~323185~343194~360203~375210~389216~400222~409226~417231~424235~429239~434
8ヵ月90~165111~205132~242149~276164~303176~327187~346196~363205~378212~392218~403224~412228~420233~427237~432241~437
9ヵ月95~174116~213135~249152~281166~307178~330189~349198~366207~381214~395220~406226~415230~423235~430239~435243~440
10ヵ月100~182119~220138~254154~285168~310180~333191~352220~369209~384216~398222~409228~418232~426237~433241~438245~443
11ヵ月103~189122~225140~258156~288170~313182~336193~355202~372211~387218~401224~412230~421234~429239~436243~441247~446
12ヵ月106~194124~229142~261158~291172~316184~339195~358204~375213~390220~404226~415232~424236~432241~439245~444249~449
13ヵ月108~198126~232144~264160~294174~319186~342197~361206~378215~393222~407228~418234~427238~435243~442247~447251~452
14ヵ月110~201128~235146~267162~297176~322188~345199~364208~381217~396224~410230~421236~430240~438245~445249~450253~455
15ヵ月112~204130~238148~270164~300178~325190~348201~367210~384219~399226~413232~424238~433242~441247~448251~453255~458


表の見方
  • あくまで目安です。個別具体的な事情により増減します。
  • 特に症状が重い場合は上限額を2割増した金額まで増額を考慮されます。
  • 単位:万円 (例 入院1ヵ月、通院1ヵ月の場合は47万円~88万円)
  • この色は通院のみ
  • この色は入院のみ
  • 青本では、入通院期間を「1月、2月…」と表記されていますが、このページでは「1ヵ月、2ヵ月…」としています。
  • 青本では、金額部分を「60~32」と表記されてますが、このページでは「32~60」としています。

交通事故情報まとめ (各都道府県の警察署発表)

交通事故 情報
各都道府県の警察署がホームページで交通事故の情報を公表しています。そのページへのリンクを集めてみました。

※ 公表されている内容は各警察署によって違いがあります。

北海道地方

北海道警察


東北地方

青森県警察


岩手県警察


宮城県警察


秋田県警察

  • 交通事故速報
    ※トップページ真ん中あたりに並んでいる四角いメニュー右上

山形県警察


福島県警察本部


関東地方


茨城県警察


栃木県警察


群馬県警察


埼玉県警察


千葉県警察


警視庁


神奈川県警察


中部地方


新潟県警察


富山県警察


石川県警察


福井県警察本部


山梨県警察


長野県警察


岐阜県警察


静岡県警察


愛知県警察


近畿地方


三重県警察


滋賀県警察


京都府警察


大阪府警察


兵庫県警察


奈良県警察


和歌山県警察


中国地方


鳥取県警察


島根県警察


岡山県警察


広島県警察


山口県警察


四国地方


徳島県警察


香川県警察


愛媛県警察


高知県警察


九州地方


福岡県警察


佐賀県警察本部


長崎県警察

  • 交通事故発生状況
    ※ 個別ページはなく、トップページ右の真ん中あたりに表示されています。

熊本県警察


大分県警察本部


宮崎県警察本部


鹿児島県警察


沖縄地方


沖縄県警察


























過失割合は誰がどうやってきめるの?

ザックリと解説すると・・・

まずはじめに、過失割合を決めるのは警察ではありません。

過失割合は過去の裁判例を基準として、保険会社の担当者が話し合いをして決定するのが一般的です。

具体的には過去にあった実際の事故の中で似たものを基準にして、実際に起こった事故の状況(速度違反や道路の状況など)に応じて過失割合を修正します。

以上、「過失割合は誰がどうやってきめるの? 」 でした。

点数制度 ~点数には2種類あります~

ザックリと解説すると・・・

基礎点数
具体例としては、駐車違反、信号無視、携帯電話の使用、酒酔い運転などがあります。

付加点数
具体例:死亡事故、人身事故(重症・軽症)、建造物損壊事故、ひき逃げなど

ドライバーが上に書かれた違反や事故を起こすとそれに応じた基礎点数と付加点数がつけられることになります。


関連リンク:

交通違反の点数一覧表(警視庁)
>> http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/menkyo/menkyo/gyousei/tensuu.htm

交通事故の付加点数(警視庁)
>> http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/menkyo/menkyo/gyousei/gyousei21.htm

以上、「 点数制度 ~点数には2種類あります~」 でした。

点数制度の勘違い

ザックリと解説すると・・・

違反をすると15点から減点されていくと勘違いされてる方がいますがそれは勘違いです。
実際は、0点からスタートして、違反によって点数がプラスされていき、一定の点数を超えたとき行政処分(運転免許の停止処分や取り消し処分)が下されます。


具体例としては15点から6点減点されて免停になるのではなく、0点から6点加算されて免停といった感じです。

交通違反の点数制度はなんのためにあるのか

ザックリと解説すると・・・

点数制度は交通事故や交通違反に対してあらかじめ決められた点数をつけてドライバーを評価して、点数によって免許の取り消し・停止などの処分をおこなおうとする制度です。

これは、違反や事故を繰り返すドライバーの運転を禁止することによって道路交通の安全を確保することや、点数や処分をドライバーに意識してもらうことによって自ら注意するようになること、あらかじめ違反は事故に対する点数を決めておくことで公平で迅速な処分をおこなうことを目的としています。

以上、「 交通違反の点数制度はなんのためにあるのか 」 でした。

示談代行とは

ザックリと解説すると・・・

任意保健に基本的に付いてる「示談代行」というものがあります。これは、保険会社が被保険者から同意をもらい、加害者に代わって事故に関する調査、被害者との示談交渉、示談書作成などすべての手続きを行うというものです。

示談代行もいつもつかえるといつわけではありません。つかえない例としては以下のようなことがあります。

対人事故
  • 面積に該当するような場合のように、明らかに任意保健金を支払えない場合
  • 任意保健を締結したが、自賠責保険に加入していなかった場合
  • 損害が明らかに自賠責保険の支払い限度額内でおさまる場合
  • 損害額が明らかに任意保健の責任限度額および自賠責保険の支払い限度額の合計額を超える場合
  • 被害者が保険会社と直接交渉することを了承しない場合


対物事故
  • 明らかに任意保健金を支払えない場合
  • 被害者1名の損害額だけで対物賠償保険の一事故保険金額を明らかに超える場合
  • 複数の被害者がいる場合、各被害者の損害額を個々に見ると対物賠償保険の一事故保険金額の限度内であっても、損害総額が一事故保険金額を明らかに超える場合
  • 被害者が保険会社と直接交渉することを了承しない場合

被害者が保険会社の示談代行を了承しないときには、加害者に代わって示談交渉することはできず、保険会社が委任した弁護士と交渉することになります。


以上、「 示談代行とは 」 でした。

示談のやりなおし

ザックリと解説すると・・・

示談をしたものの、その時には考えもしなかったことが起こった場合どうなるのでしょうか。示談のやり直しはできるのでしょうか。

この状況のわかりやすい例として、後遺症が残り、後遺障害として等級認定され、その等級をもとに示談をしたものの、年齢がいくたびに症状が悪化したときは、現在の等級より上位の等級を目指してもう一度示談をすることはできるのでしょうか。

この場合、示談当時から高齢になること、それによる症状の悪化は予想できたものなので再び示談をするはできない。ただ、どんな状況でも示談のやり直しができないわではありません。

やり直しができる具体例としては、示談当時、大したケガではないとしてちょっとの賠償額で示談をしたけど、予想もできなかった後遺症があらわれたときには、示談後の損害に関しても請求できる可能性があるとされています。

以上、「 示談のやりなおし」 でした。

示談の無効・取り消し

ザックリと解説すると・・・

示談は、原則やり直すことができません。しかし、示談が成立していても無効になる場合もあります。
  • 示談の内容が公序良俗に反する場合
  • 示談内容について当事者がお互いにそれが真意でないことを知りながら意思表示した場合
  • 相手方と通謀して、虚偽の示談をした場合
  • 真実の意思の合致がない以上無効
  • 示談の過程で相手方から脅迫・詐欺があった場合
    ※ 他と違い、当然に無効にならず、こちらから取り消さない限り有効なものとして扱われる

以上、「 示談の無効・取り消し」 でした。

示談書の書式

ザックリと解説すると・・・

示談書といっても特別なものではなく、ふつうの契約と同じです。なので契約書がないと成立しないというものではなく、当事者が合意すれば、口約束だけでも成立します。しかし、あとになってトラブルにならないよう示談書を作成します。この示談書にはなにを書けばいいのでしょうか。

最低限必要なのは以下の項目です。

  • 当事者の名前
  • 事故が発生した場所・日時
  • 加害車両を特定する情報(車体番号、登録場、所有者の名前など)
  • 被害の状況(死亡・傷害、ケガをした部位と程度など)
  • 示談の内容(賠償金の額、支払い方法など)
  • 示談書を作成した日付

これらと、権利放棄条項も書いておくていいでしょう。

これは、「今後本件に関し、いかなる事情が起こりましても両者はそれぞれ相手方に対しなんらの異議要求はもちろんのこと訴訟など一切いたしません(例)」といったもので簡単に言うと「今回成立した示談で全部終わりにします」という内容のものです。

これがあれば、通常示談金の追加請求は認められません。しかし、示談の時には想像もしないほど被害者の症状が悪化したような著しい状況の変化があったは場合にはこの条項が無効になることもあります。

以上、「 示談書の書式」 でした。

示談の履行の確保

示談が成立したからといって安心するのはまだ早いかもしれません。

ザックリと解説すると・・・

加害者が任意保険に加入していれば心配することはないですが、加入していなくて資産がない場合は賠償金を支払ってもらうのは難しいといえます。

加害者の月収が20万円だとします、その中から毎月10万円の分割払いをするとしても、このような無理のある履行計画では、結局はすべて支払ってもらうのは不可能になることが多いです。なので毎月、無理のない額を長い時間をかけて支払ってもらうのがいいかもしれません。

でも、長い時間をかけて支払ってもらうのも不安ですよね。

では、どうすればいいのでしょうか。
加害者の親や兄弟に連帯保証人になってもらうとよいでしょう。こうすることによって、被害者からの督促だけではなく、親・兄弟も督促するようになり効果があるようです。

そして、示談書を公正証書*1にすることよいでしょう。こうすることによって、もしも加害者が賠償金を支払わないときには、直ちに強制執行*2することができるようになります。

*1 公正証書とは 、法律の専門家である公証人が公証人法・民法などの法律に従って作成する公文書です。 公文書なので高い証明力があるうえ、債務者(ここでは加害者)が金銭債務の支払を怠ると、裁判所の判決などを待たないで直ちに強制執行手続きに移ることができます。

*2 強制執行とは支払い義務のある加害者が、賠償金などの支払いを約束した金額を、約束とおりに支払いがなされない場合に、国の権力によって強制的に加害者の財産を差し押さえ、支払いを実行させる制度になります。

以上、「 示談の履行の確保」 でした。

示談のタイミング

ザックリと解説すると・・・

交通事故の被害者としては少しでも早く賠償金を支払ってもらいたいものですよね。だから、ケガが実際には完治していないのに、完治の見通しを立てていそいで示談をしてしまうことがあります。

見通しを立てた期間内に完治すればなにも問題はありませんが、もしも思ってたより時間がかかってしまった場合はどうなるのでしょうか。

そのときはそのときで再度加害者に請求して支払ってもらえばいいと考える方がいるかもしれませんが、示談というのは最終解決ですから再度、追加で請求することはかなり難しいです。

なので、完治していないのに見通しだけで示談するのではなく、完治してからおこなうようにしましょう。

以上、「 示談のタイミング」 でした。

過失相殺とは

ザックリと解説すると・・・

過失相殺とは、損害額を算定するさいに被害者側にもなんらかの過失[?]があったときには、加害者が負うことになる賠償額を減少させることをいいます。これは損害の公平な分担を図る目的があります。

過失相殺をするには、過失[?]がなければなりません。しかし、この過失[?]は責任能力があるというのが前提になるので、責任能力[?]をもたない幼児には過失相殺を適用できないと考えられてきましたが、公平の観点から被害者に責任能力[?]がなくても事理を弁識することができる能力[?]が備わっていれば過失相殺できるとされています。


用語の解説
「過失」とは
自分の不注意によってよくない結果が生じたこと
「責任能力」とは
自分がおこした行動によりよくない結果が生じることが予想でき、その結果、自分がどのような責任を問われるのかを理解する能力
「事理を弁識することができる能力」とは
物事に対しての良いことか悪いことかを判断する知能があること

加害者が負う3つの責任

加害者は3つの責任を負うことになります。

ザックリと解説すると・・・

事故を起こしたドライバーが負う責任として、以下の3つの責任があります。
  • 民事上の責任
  • 刑事上の責任
  • 行政上の責任

1. 民事上の責任


目的:被害者の損害を埋め合わせ、事故が発生する前の状態に戻す

たまに耳にすると思うのですが、「民法」や「自動車損害賠償保障法」にもとづく責任がこれにあたります。事故が発生した原因があなたにある場合、相手方に対して損害(代表的なものだと、治療費や慰謝料、車の修理費など)を賠償する責任を負うことになります。
ちなみに保険会社が負担してくれるのはこの部分にあたります。

2. 刑事上の責任


目的:犯罪の抑止

これも耳にしたことがあると思います。「刑法」にもとづくもので、刑罰として禁固・懲役・罰金等が科せられます。
過失によって事故を起こし、相手方を死傷させた場合、自動車運転過失致死傷罪、危険運転致死傷罪などの適当が考えられます。

3. 行政上の責任


目的:違反者をしめ出して、交通安全を確保する

行政上の責任とは、「行政処分」ともいいます。代表的なものだと、免許の取り消し・停止などがあります。

まとめ


これら3つの責任は、それぞれ目的がちがいますので、刑事上の責任が無いとされても、民事上の責任がなくなるとは限りませんし、行政処分がなかったからといって民事上の責任が問われないというものでもありません。


以上、「加害者が負う3つの責任」でした。

交通事故にあったらなにをすればいいか(被害者編)

以前、加害者編を書いたので、今回は「被害者編」です。

ザックリと解説すると・・・

加害者、または加害車両の確認


事故により被った損害の賠償を請求するのに、相手のことがわからないと請求できません。加害車両のドライバーの名前・住所、加害車両の登録番号や所有者の名前・住所など確かめておくとよいでしょう。



警察への届け出


加害者が警察官などに対して事故の届け出をしない場合には、被害者が届け出をしましょう。「こっちは被害者なのになんでそんなこと・・・」と思う気持ちはわかるのですが、警察官などへの届け出をしなかった場合、保険金を請求する際に必要な事故証明書が発行されません。



保険会社への事故があったことを知らせる


被害者が自動車保険に加入している場合、その保険会社に事故が発生した日時、場所、事故の概要について知らせなければなりません。これは加害者が保険に入っていなかった場合などには、被害者が入っている保険会社から保険金の支払いを受けるのですが、この支払いスムーズに行ってもらうために必要です。



事故現場の保全


なにかあったときに対処できるように、事故の状況を把握し、原因を明らかにする必要があるので、次の事故がおこる危険性がない限り、警察の調査が終わるまで現場をできるだけそのままの状態にしておきましょう。



事故状況の記録


携帯のカメラで撮影したり、図面などを書いて以下のことを記録するとよいでしょう。

  • 負傷者、事故車両、散乱した積み荷などの元の位置
  • 衝突地点や衝突の箇所
  • 車両の損壊状態
  • スリップ痕
  • 路面の状態や交通量など


そのほか、目撃者や相手方の話しも記録しておきましょう。時間がたつと記憶があいまいになってしまう恐れがあるからです。

以上、「交通事故にあったらなにをすればいいか(被害者編)」でした。

報告義務とは

ザックリと解説すると・・・

事故を起こした当事者は人身事故・物損事故について警察官などに対して直ちに事故を報告する義務を負います。


誰に報告するの?

事故現場に警察官がいればその警察官にいない場合は、もよりの警察署(派出所・駐在所含む)の警察官にこのとき注意しなければいけないのが、たまたま事故現場の警察官がいて、その場に必要な措置をとってくれてるときでも、それによって報告義務がなくなるわけではないので、その警察官に報告する必要があります。


いつするの?

「直ちに」する必要があります。つまり、事故発生後すぐに、または緊急措置(事故状況の確認、けが人の救助など)の後すぐにする必要があるので、現場にたまたまいた警察官が必要な措置をとってくれていたとしても、その警察官に報告する必要があります。


どうやってするの?

直接でも電話でもかまいませんし、その場にいた他人に依頼してもかませません。ただ、このとき注意しなければいけないのが、他人に依頼しただけで実際に報告してくれたのか確認する必要があります。


なにを報告すればいいの?

  • 事故が発生した日時および場所
  • 死傷者の数および負傷者の負傷の程度
  • 損壊した物および損壊の程度
  • その事故について講じた措置
  • 事故車両の積載物

以上の5点です。

以上、「事故発生後の警察への報告」でした。